とうにん地域ねこ倶楽部誕生裏話 ユメママ編

宵闇にまぎれ、ベンチの下にカリカリ入り容器を置いた瞬間、
「あっ、先輩のお母さんだっ！こんばんはっ！！」
と、かなり通りの良い声が辺りに響き渡りました。
驚いて見上げると、そこには息子の後輩Ｍさんの笑顔が。
小声で「こんばんは…」と返し、人差し指を口に当てシ～っという仕草をすると、
「でもお母さん、そんなに気にしなくても、ほらここにいいことが書いてありますよ」
と、座っていたベンチの上を指差しました。
見ると［地域猫活動～］［猫にごはんをあげている優しいかた、是非ご連絡下さい！］の貼紙が。
いつからそこに貼ってあったのか？
毎晩素早くベンチの下に容器を置き、しばらくして又素早く回収していたので全く気付きませんでした。
う～ん、これは罠か？
［優しいかた］なんて甘い言葉で誘っといて、ノコノコ名乗り出た途端、ガチャン！御用！（って別に犯罪を犯しちゃいませんが…）なぁんてことにならないか？と猫友数人と相談。
ようやく決心して、書いてあった携帯番号にかけてみたのが、貼紙に気付いた日から2～3日経った昨年11月26日でした。
電話相手の女性（のちのカシャママ）は、週2～3回仕事で商店街を通る際、あまりの猫の多さに驚き、商店街の組合長さんの所に飛び込みで地域猫活動の話しを持ち掛けたというツワモノです。
最初、まるでのら猫のように警戒しながら話しを聞いていた私ですが、そのうち猫を愛するもの同志のニオイを嗅ぎつけ、心を開いて名前を名乗りました。
これまでずっと猫友Ｉさんと手術費用を折半し、雌猫の不妊手術を細々と続けてはいましたが、ふたりの力ではザルで水を汲む状態…。
この電話で不安ながらも小さな光が見えた気がしました。
これが「とうにん地域ねこ倶楽部」の幕開けでした。
by ユメママ

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